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統計で割り出される「自殺が多い世代」 第2回 東京医科歯科大学・バンコク病院共催「家族の健康セミナーおよび相談会」

統計で割り出される「自殺が多い世代」 第2回 東京医科歯科大学・バンコク病院共催「家族の健康セミナーおよび相談会」
http://www.newsclip.be/article/2015/08/07/26502.html
2015年8月7日(金) 13時42分(タイ時間)

「心の健康についての最新事情」

東京医科歯科大学
学生支援・保険管理機構 保健管理センター 職員健康管理室 准教授
平井 伸英 氏 医学博士

人生に大きな損失を与える「心の病気」

 「疾病による人生の損失(DALY)」という統計がある。人間というのは単に長生きするだけでなく、健康で充実した人生を送らなければならない。DALYは、病気や事故などでどれだけ寿命を縮めてしまうのか、死に至らなくともどれだけ充実した人生を損失してしまうのか、を示す指標である。

 WHO(世界保健機関)はDALYを「感染症」「非感染症」「傷害(ケガ)」の3つに大きく分けており、2012年の国際比較では日本のDALYは感染症=1219、非感染症=1万2158、ケガ=2323。日本と同等の数字を示す近隣諸国にシンガポールがあるが、同国は日本より感染症が多く、非感染症は同等、ケガは少ない。このケガというのは単なる不慮の事故のみではなく、自殺も含まれる。ちなみにタイは感染症=3875、非感染症=1万4741、ケガ=2719。感染症は多いが、それ以外は韓国と同等の数字を示している。

 世界(経済協力開発機構(OECD)諸国)の「寿命・健康ロスの大きな病気・傷害(DALY値)」を疾患別に見ると、トップは「うつ病・躁うつ病」で全体の9.7%を占め、「虚血性心疾患」が続く(同6.3%)。日本は「脳血管疾患」がトップで同8.4%、次いで「うつ病・躁うつ病」の同7.0%。ちなみに「がん」は全部位を合わせてOECD諸国で13.2%、日本は17.8%。WHOによる全世界のDALYを疾患グループ別で見ると、感染症、循環器疾患、新生児の障害、不慮の事故、がん、心の病気の順であり、「心の病気はがんと同程度に人類を脅かしている」といえる。

理解度と診断の正確さが向上した「うつ病」

 日本では厚生労働省により2007年、「糖尿病」「心筋梗塞」「脳卒中」「がん」が4大疾患に指定されたが、2011年に「精神疾患」が加わって5大疾患に改められた。統計的に見ると、精神疾患は1996年辺りから目立って増えてきており、2011年の5大疾患の指定はむしろ遅かったようにも思える。

 心の病気の代表に挙げられるのは「うつ病」。日本では精神科患者数の3分の1がうつ病と診断されるが、この数年若干減少に転じている。これは、本来はうつ病でないのにうつ病と診断されていた疾病が、医療の発展によってより正確に診断され始めている可能性がある。

 労災においても同様のことがいえる。申請側の知識・理解度が向上、より正確な申請がなされるようになり、申請数が減少しつつ認定数は増加という減少が起きている。

 ただいずれも、うつ病が減少していることを表しているわけではない。気分障害患者数で見ればうつ病が占める割合は7割を越え、常に増加傾向にあることは変わらない。

統計で割り出される「自殺が多い世代」

 日本の自殺者数は世界トップクラスで、人口10万人中20人を超える。先進国の中でも、例えばイタリアなどのように、同10人に満たない国がある。ちなみにタイは2013年の数字で同6人未満。

 自殺に関する各種統計を見ていくと、男性の自殺は女性のざっと倍。統計を取り始めた戦後1947(昭22)年から大きく3つの波が起きており、現在はピークを過ぎて減少気味にある。

 この波を年齢別に追っていくと、最初の波は1955(昭30)年をピークとし、最多の年齢層は15―24歳。第2の波のピークは1983(昭58)年で同45―54歳、第3の波のピークは2003(平15)年で同56―64歳が自殺者最多となっている(第3の波は1998年(平10)年にもピークがあり45―54歳が最多)。

 これで見ると明らかに、「昭和初めの生まれ、10代で戦争を体験」という世代に自殺が集中している。団塊と呼ばれる世代の前であることから、自殺者数は人口の多少に比例していないと思われる。また、女性の自殺者数は1958(昭33)年にピークを迎え、それ以降はほぼ横ばいだ。

うつ病予防の考え方

 うつ病の予防は三段階に分けられる。

◇ 一次予防:疾病の予防、うつ病にならないよう健康増進に努める。
◇ 二次予防:うつ病になっても重症化しないよう、早期発見・介入する。
◇ 三次予防:うつ病を治して再発しないよう予防、周囲の者が職場復帰を支援する。

 うつ病(DSM-5)の判断基準は以下のとおり。9項目のうち、うつ病で必ず見られる症状の「1」と「2」を含み、2週間以上ほぼ毎日続いていると、うつ病と判断される可能性が高い。

1. ほとんど1日中の抑うつ気分
2. ほとんど1日中、すべて、またはほとんどすべての活動における興味、喜びの著しい減退
3. 食欲の減退または増加
4. 不眠または睡眠過多
5. 精神運動性の焦燥または制止
6. 易疲労性または気力の減退
7. 無価値感または罪責感
8. 思考力や集中力の減退または決断困難
9. 死についての反復思考

 うつ病がどうして起こるのかは解明されていないが、多くの場合にストレスが背景にある。日常生活への適応で、そのレベルが過多に振れるとささいな刺激で過敏になり、イライラや怒りが起こる。過剰適応で知らないうちに無理をし、ワーカーホリックになる。

 逆に無関心に振れると、周囲に対して関心を示さず積極性も失われ、ボーっとしてミスを起こしやすくなる。情緒または行為の障害、もしくは両方を伴って適応障害を起こし、うつ病、不安障害、物質依存に陥る。時に行動化と呼ばれる症状が出現し、無断欠勤、突然の退職、他者への配慮に欠けた言動、性的逸脱、DV、離婚、自殺未遂など、反社会的行動が現れる。一見すると人間性が低下したように見える言動が、うつ病の症状であることがある。

 うつ病に気づくためにうつ病で出やすい症状を知ることは重要だ。自覚できる症状は、「憂うつ」「気分が重い・沈む」「悲しい」「不安」「イライラ」「元気がない」「集中力がない」「好きなこともやりたくない」「細かいことが気になる」「悪いことをしたように感じて自責する」「物事を悪い方に考える」「死にたくなる」「眠れない・眠気が強い」など。周囲から見て分かる症状は、「表情が暗い」「涙もろい」「反応が遅い」「落ち着かない」「飲酒量が増える」「(非効率を理由とする)残業が増える」など。体に出る症状は、「食欲不振・食べ過ぎ」「体がだるい・疲れやすい」「性欲減退」「頭痛・肩こり」「動悸」「胃の不快感」「便秘がち」「めまい」「喉が渇く」など。

うつ病は治るのか?

 目に見える見えないという違いはあるが、うつ病をけがに置き換えてみると考えやすい。

◇ うつ病(けが)は治るのか→もちろん治る
◇ うつ病(けが)が治れば働けるのか→働ける
◇ うつ病(けが)が治れば元通りに働けるのか→うつ病(けが)の程度による
◇ うつ病(けが)は防げるのか→対策によって可能性を減らすことはできるがゼロにはならない
 うつ病は、けがと同じように予防が大切だが、もしなってしまったときはその後の対策が重要だ。

 うつ病など、心の病気では、自らヘルプを求めることが困難な場合がある。これに対する周囲の者による支援方法に「メンタルヘルス・ファストエイド」という考え方がある。

◇ リスク評価(Assess)
◇ 判断・批判せずに聴く(Listen)
◇ 安心・情報を与える(Give)
◇ サポートを得るよう勧める(Encourage)
◇ セルフヘルプを勧める(Encourage)

 頭文字を取って英語で「ALGEE」、日本語で「リハーサル」と訳される。このような支援を行う人をゲートキーパーと呼び、詳しくは内閣府ホームページに自殺予防週間の特設ページなどで情報を得ることができる。

http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/week/gatekeeper-yousei.html

まとめとして、

◇ 心の病気は決して少なくない
◇ うつ病対策が大切
 * 落ち込みや意欲低下が2週間続いたら受診
 * 過食、過眠、怒りっぽさがでることも
 * 体の症状
◇ 自殺を防ぐために
 * 傾聴して専門家につなぐ

といったことをぜひ心がけて欲しい。




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