わたしたちの健康2009年6月 うつ病 和光市
わたしたちの健康2009年6月 うつ病
2009年12月01日 14時06分
執筆者:菅野隆(かんのたかし)
和光市
http://www.city.wako.lg.jp/home/busho/_6028/_6034/fuku_7_9/_8532/_7868.html
著名な作家が「うつの時代」と呼ぶ程に「うつ」の患者さんは近年増加の一途をたどり、新聞やマスコミでもさかんに取り上げられています。「うつ」がポピュラーになった事は、それまでとかく精神疾患についてまわった偏見や誤解をとき早期の受診に結びつける事ができるという大きなメリットとなりました。うつ(気分障害)は厚生労働省の医療機関へのアンケートでも1996年は43万人であったのが2006年には92万人と倍以上に増加しており日本人の16人に1人は生涯に一度はうつ病を発症すると言われています。男性では30歳代から50歳代が発症し易い年齢で女性では70歳代にピークが見られます。30~50歳代働き盛りの年代であり、職場のメンタルヘルスが着目され、平成12年、厚生労働省は労働安全衛生法を改正し、職場でのメンタルヘルスを保つための指針をうち出し、企業に対応を求めてきています。
さて「うつ病」の症状について簡単にふれたいと思います。最終的に「うつ」と診断された方達が初めにどのような診療科に受診されたかを調べますと、まず内科に初診した方が64.7%と最多で、婦人科・脳外科・耳鼻科・整形外科と続いており、最初から精神科や心療内科に受診された方は9.4%にとどまります。つまり身体的な症状がまず出現して不調に気づかれる方が殆どという事であります。胃腸症状、疲労感、倦怠感、頭痛やめまい耳鳴り等ほぼ身体の全ての器官の訴えが出るといっても過言ではないでしょう。身体的な検査をして異常ないという事で最後に精神科・心療内科に紹介されて来院される患者が非常に多いこととなります。
ここでまず精神科・心療内科の特徴として、その症状に御自身で気づかれるものと周囲から気づかれるものに分けて述べてみたいと思います。まず御自身で訴えてこられる症状として、「よく眠れない、朝起きられない、頭がすっきりしない、首や肩が凝る、食欲がない、体がだるい」というような身体的な訴えと「憂うつで気分が沈みがち、人と会って話をするのがおっくう、出勤は非常に気が重い、仕事や将来に悲観的に考えてしまう、決断できない」等の精神的な症状がまず御本人が気づかれる症状として挙げられます。次に周囲が気づく症状は「遅刻・早退・欠勤の増加、残業・休出の不釣合さ増加、仕事の能率低下やミスの増加、報告相談や会議などでの発言の低下、仕事の結果が出ない、表情暗く元気がない、趣味や職務での活動にも消極的となる、周囲との折り合いが悪い、服装が乱れ不潔となる」等が御本人の周囲の家族、同僚、上司から気づかれる症状といえるでしょう。
「うつ」になると思考力も落ち、冷静な判断もできないため御自分の事もわからなくなるため、病気という認識がなかなか持てないのが普通のため、周囲からの気づきが重要となります。早めに気づき、専門医療機関にご相談する事が大切です。最近ではカウンセリングも広まり、企業でも産業カウンセラーを置いてある会社も増加してきていますが、一旦「うつ病」を発症した場合は医療機関での治療が必要です。治療は薬物、精神療法と休養環境調整が主軸となります。薬物療法はうつ病の成因にまで踏み込んだ優れた抗うつ薬が最近開発され、めざましい効果を挙げています。また精神科・心療内科では精神保健福祉士や心理士等専門職がチームを組み、職場、家族、産業医と常に相談連携を持ちながら患者さんの社会や職場への復帰を目指しています。この拙文が今後皆さんご自身と共に周囲への「うつへの気づき」のきっかけになって頂ければさいわいです。
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昭和47年ごろから、朝霞地区医師会に寄稿いただき、朝霞・新座・和光・志木の四市広報に「わたしたちの健康」と題し、市民向けの医学情報を提供しています。
原稿の執筆は、朝霞地区医師会に所属する開業医又は病院の、実際にこの地で日々診療にあたり、毎日患者さんと接している医師が担当しており、高齢者から若い方まで幅広い人々を対象とした内容を、理解しやすい文章でお届けするよう心がけています。皆さんの毎日の健康にお役立てください。
内容についてのお問い合わせは、朝霞地区医師会(電話048-464-4666)へご連絡ください。
担当名:市政情報課 広報担当
住所:広沢1-5 市役所3階
電話番号:048-424-9091 FAX:048-464-1328
詳しくは 和光市へ
http://www.city.wako.lg.jp/home/busho/_6028/_6034/fuku_7_9/_8532/_7868.html
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著名な作家が「うつの時代」と呼ぶ程に「うつ」の患者さんは近年増加の一途をたどり、新聞やマスコミでもさかんに取り上げられています。「うつ」がポピュラーになった事は、それまでとかく精神疾患についてまわった偏見や誤解をとき早期の受診に結びつける事ができるという大きなメリットとなりました。うつ(気分障害)は厚生労働省の医療機関へのアンケートでも1996年は43万人であったのが2006年には92万人と倍以上に増加しており日本人の16人に1人は生涯に一度はうつ病を発症すると言われています。男性では30歳代から50歳代が発症し易い年齢で女性では70歳代にピークが見られます。30~50歳代働き盛りの年代であり、職場のメンタルヘルスが着目され、平成12年、厚生労働省は労働安全衛生法を改正し、職場でのメンタルヘルスを保つための指針をうち出し、企業に対応を求めてきています。
さて「うつ病」の症状について簡単にふれたいと思います。最終的に「うつ」と診断された方達が初めにどのような診療科に受診されたかを調べますと、まず内科に初診した方が64.7%と最多で、婦人科・脳外科・耳鼻科・整形外科と続いており、最初から精神科や心療内科に受診された方は9.4%にとどまります。つまり身体的な症状がまず出現して不調に気づかれる方が殆どという事であります。胃腸症状、疲労感、倦怠感、頭痛やめまい耳鳴り等ほぼ身体の全ての器官の訴えが出るといっても過言ではないでしょう。身体的な検査をして異常ないという事で最後に精神科・心療内科に紹介されて来院される患者が非常に多いこととなります。
ここでまず精神科・心療内科の特徴として、その症状に御自身で気づかれるものと周囲から気づかれるものに分けて述べてみたいと思います。まず御自身で訴えてこられる症状として、「よく眠れない、朝起きられない、頭がすっきりしない、首や肩が凝る、食欲がない、体がだるい」というような身体的な訴えと「憂うつで気分が沈みがち、人と会って話をするのがおっくう、出勤は非常に気が重い、仕事や将来に悲観的に考えてしまう、決断できない」等の精神的な症状がまず御本人が気づかれる症状として挙げられます。次に周囲が気づく症状は「遅刻・早退・欠勤の増加、残業・休出の不釣合さ増加、仕事の能率低下やミスの増加、報告相談や会議などでの発言の低下、仕事の結果が出ない、表情暗く元気がない、趣味や職務での活動にも消極的となる、周囲との折り合いが悪い、服装が乱れ不潔となる」等が御本人の周囲の家族、同僚、上司から気づかれる症状といえるでしょう。
「うつ」になると思考力も落ち、冷静な判断もできないため御自分の事もわからなくなるため、病気という認識がなかなか持てないのが普通のため、周囲からの気づきが重要となります。早めに気づき、専門医療機関にご相談する事が大切です。最近ではカウンセリングも広まり、企業でも産業カウンセラーを置いてある会社も増加してきていますが、一旦「うつ病」を発症した場合は医療機関での治療が必要です。治療は薬物、精神療法と休養環境調整が主軸となります。薬物療法はうつ病の成因にまで踏み込んだ優れた抗うつ薬が最近開発され、めざましい効果を挙げています。また精神科・心療内科では精神保健福祉士や心理士等専門職がチームを組み、職場、家族、産業医と常に相談連携を持ちながら患者さんの社会や職場への復帰を目指しています。この拙文が今後皆さんご自身と共に周囲への「うつへの気づき」のきっかけになって頂ければさいわいです。
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昭和47年ごろから、朝霞地区医師会に寄稿いただき、朝霞・新座・和光・志木の四市広報に「わたしたちの健康」と題し、市民向けの医学情報を提供しています。
原稿の執筆は、朝霞地区医師会に所属する開業医又は病院の、実際にこの地で日々診療にあたり、毎日患者さんと接している医師が担当しており、高齢者から若い方まで幅広い人々を対象とした内容を、理解しやすい文章でお届けするよう心がけています。皆さんの毎日の健康にお役立てください。
内容についてのお問い合わせは、朝霞地区医師会(電話048-464-4666)へご連絡ください。
担当名:市政情報課 広報担当
住所:広沢1-5 市役所3階
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詳しくは 和光市へ
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